
不登校の原因となる対人・学校恐怖症(緊張症)とは?
「学校に行きたいのに、どうしても行けない」「教室に一歩入ると強い不安や緊張を感じる」という悩みは、もしかしたらそれは対人恐怖症・緊張症が原因かもしれません。
不登校の一因ともなる対人恐怖症・緊張症とはどのような病気なのでしょうか。
正式名称は社会不安障害
対人恐怖症・緊張症などと呼ばれる疾患は、正しくは社会不安障害といいます。じつは10人に1~2人はかかる確率があるような身近な病気でもあるのです。
人前に出る時、誰でも多かれ少なかれ恐れや緊張を覚えるものですが、社会生活に支障をきたしているようならば社会不安障害の疑いがあります。
10代半ばから20代前半の特に女性に多くみられます。学校に行けない高校生でもじつは社会不安障害だったという例も少なくありません。
しかし「性格の問題」「気落ちの持ちよう」などとされ治療を受けることができず、親も認めてくれないせいで解決しない負のスパイラルに陥っているケースも多々あります。
対人恐怖症・緊張症のチェックリスト
不登校になっていて「もしかしたら、自分は対人恐怖症・緊張症かもしれない」と、心配な生徒もいるかもしれません。
次のチェックリストであてはまる項目が3つ以上ある場合、医師に相談してみることをおすすめします。
- 対人緊張:学校でみんな仲が良さそうで自分だけ孤立していると感じる。他人の存在が異常に気になり緊張と苦痛を感じ、コミュニケーションの方法がわからない。
- 赤面緊張:人前に立つと赤面して緊張するので、人が集まる場所を避けている。
- スピーチ恐怖:1人で発表しようとすると頭が真っ白になったり、不安で声が震えたりする。
- 会食恐怖:他人に見られながら食事ができない。自分が立てる音が気になって食事が進まない。
- 視線恐怖:他人が自分に注目して噂をしている気がする。他人の視線が怖い、もしくは、自分の視線が相手を怖がらせていないか恐れる。
- 書痙:人前で字を書こうとすると手が震えて書けない。
- 発汗恐怖:誰かに話しかけられると緊張のあまり大汗をかく。
- 自己臭恐怖:自分の体臭や口臭が人に嫌な思いをさせて、避けられているように思い込む。
なぜ対人恐怖症・緊張症になるのか
対人恐怖症・緊張症を発症するメカニズムははっきりと解明されているわけではありません。学校で自分が叱られたわけでもないのに、誰かが叱られているのを見たのをきっかけに人前に立てなくなってしまう例もあります。
生まれつき神経質だったり怖がりだったりすると対人恐怖症・緊張症になりやすいともいわれていますが、それはけっして悪いことではありません。
対人恐怖症になる人の多くは優しい、気が使えるという特徴がありますので個性のひとつとして受け入れることも大事です。しかし不登校に至るまで症状が進行している場合、医療機関に相談するのも一つです。
不登校専門の心療内科もある
不登校そのものは病気ではありませんが、対人恐怖症・緊張症という病気が隠れていることはあります。不安感、緊張感の他に腹痛、頭痛、強い疲労感などがあらわれることもあるので、ひとつのサインとしてください。
腹痛、頭痛、体調不良などを感じて内科を受診してもその頃には症状が緩和していたり、学校へ行こうとするたびに症状が出る場合は対人恐怖症・緊張症の可能性が高いです。
筆者も小学校・中学校の頃に学校に行く時だけ体調が悪くなりました。ただ当時は世間や親の理解がなく、当時の小学生だとスマホもないので自分の症状を調べる手段もなく、無理やり学校に行かされていました。
学校に行くのがつらすぎて嘔吐したり、涙が出てきたことも何度もあります。それでも無理やり通った結果、数年ダメージを引きずることになりました。
同じ苦労を皆さんには味わってほしくはないので心療内科への受診、もしくは後述する自宅学習のできる通信制高校に進学することをおすすめします。
対人・学校恐怖症(緊張症)はどう治療する?
対人恐怖症・緊張症が原因で不登校になっている場合、まずはしっかりと治療することが先決です。
心療内科、精神科などを受診すれば、次のような治療を受けることができます。
薬物療法
対人恐怖症・緊張症では不安と深いかかわりがある脳内神経伝達物質セロトニンの分泌異常が起きていると考えられます。したがって、セロトニンの分泌を調整する薬物を投与するというのもひとつに治療法です。
具体的にはセロトニンを調整するSSRIなどが用いられ、早ければ2週間ほどで効果があらわれます。しかし、改善するまで約8週間かかってしまうこともあり、ただちに登校を再開できるとも限らない点に注意してください。
認知行動療法
不安や恐怖を感じすぎてしまう思考パターンを変えたり、緊張感をやわらげたりして、人前でも普通に行動できるように導くのが認知行動療法です。
投薬療法に伴う吐き気、食欲不振などの副作用の心配がありません。
ただし、認知行動療法には即効性はありません。効果が出るまで2~3ヶ月はかかってしまいます。「すぐに不登校を改善したい」という人にとっては「時間がかかり過ぎる」と、もどかしく思うこともあるでしょう。
セルフケア
軽い対人恐怖症・緊張症ならばセルフケアを続けることで症状をやわらげることもできます。
代表的なのが目が覚めたら日光を浴び、セロトニンの分泌を促したり、バランスが整った食事を規則正しくとる方法です。
特に「脳のエネルギー源」ともいわれる炭水化物はしっかりと摂取するようにしてください。
また、不登校からひきこもりを続けていると運動不足になりがちですが、軽いウォーキング程度でかまわないので毎日体を動かす習慣を作るようにしましょう。
対人・学校恐怖症(緊張症)でも通学や勉強を続ける方法
対人恐怖症・緊張症から不登校になってしまっても「勉強だけは続けたい」「せめて高校は卒業したい」と、考えている人も多いでしょう。
しかし、集団での一斉授業を前提としている全日制高校は対人恐怖症・緊張症にとって非常に苦痛なのも事実です。ストレスなく学ぶことができる場所はないのでしょうか。
不登校に対応してくれる家庭教師を依頼する
大手家庭教師派遣の「家庭教師のトライ」などでは、不登校の生徒へのサポートを専門とする家庭教師もいます。
家庭教師との相性次第では対人恐怖症・緊張症の生徒でも問題なく勉強を続けることができるでしょう。
しかし、そのようにリラックスして勉強できる先生と出会える保障はありません。また、いくら自宅で一生懸命勉強したとしても不登校のままでは出席日数が足らずに留年、退学となってしまいます。
高等学校卒業資格を取得できず、進学にも就職にも行き詰まってしまうことになるでしょう。
不登校の生徒のためのフリースクールを利用する
フリースクールとは、何らかの理由で学校に通えない生徒のための学びの場です。個人、ボランテイア団体、NPO法人などが運営する民間教育機関なので、費用も教育方針もさまざまです。
もし入学を検討するなら事前に詳細な情報を収集するようにしましょう。対人恐怖症・緊張症があるならば、マンツーマン指導を行ってくれるようなところがよいかもしれません。
中学校や小学校ではフリースクールに通った日数を出席日数としてカウントしてもらえることもありますが、高校ともなるとそうはいきません。フリースクールにどんなにまじめに通ったとしても、不登校のままではやはり高校を卒業することはできない点に注意してください。
通信制高校に通う
家庭教師やフリースクールと比較して、対人恐怖症・緊張症には通信制高校がおすすめです。というのも、基本的に毎日学校に通う必要がないのです。
自宅で自分のペースで勉強できるというのは、対人恐怖症・緊張症の人にとって何よりの安心材料となります。
さらに通信制高校なら高等学校卒業資格も取得できるので、大学の受験資格を得ることもできます。
鹿島学園高等学校や中央高等学院のように大学受験のためのコースを設定している通信制高校なら大学受験の指導もしてくれるのでより安心といえるでしょう。
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通信制高校は年に数回の登校でも大丈夫!
通信制高校の登校日はコースによりますが週に1~2回、年に数回など全日制高校と比べて非常に少ないです。
もちろん学科74単位は取得する必要がありますが、ホームルームや体育祭などの特別活動でも登校日数として換算される学校もあります。
そういった学校であれば対人恐怖症であっても最低限の負担で通うことができますので検討してみてはいかがでしょうか。
対人・学校恐怖症(緊張症)の原因まとめ
対人恐怖症・緊張症もまた不登校の一因になりうると聞いても「まさか自分が」と、思う人も少なくありません。
しかし、対人恐怖症・緊張症のチェックシートで該当する項目が多いようなら一度クリニックを受診することをおすすめします。
不登校を専門としている心療内科なら足を運びやすいのではないでしょうか。そして、もし対人恐怖症・緊張症だとわかったとしても、すぐに完治するものではありません。
どうしても治療にある程度時間が必要なので、その間の登校や勉強の遅れをどうするのかという問題は残ります。
不登校のまま全日制高校に在籍していても、年間欠席日数が50日を越えてしまえば留年し、卒業が遅れてしまいます。
しかし通信制高校に編入すれば単位を引き継ぎつつ、人とほとんど接することなく高等学校卒業資格を取得できます。その間に対人・学校恐怖症を回復することもできますので、まずは以下から資料請求をしてみることをおすすめします。