不登校とはどのような状態なのか?
近年、不登校の生徒の数は減少しつつあるといわれています。しかし、いまだに約5万人の高校生が不登校なのも事実です。不登校とは具体的にどのような状態なのでしょうか。
30日以上の欠席が不登校の目安
文部科学省の定義によれば、不登校とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いた者」とのことです。
つまり、年間の欠席日数が30日未満だったり、保健室登校でも一応学校に足を運んでいたりという状況ならば、不登校とは見なされないのです。しかし、不登校ギリギリでどうにか高校を卒業したとしても、その後にニートや引きこもりになってしまう人も少なくありません。
不登校からニートや引きこもりになるケースも多い
ニートとは日本では「15歳~34歳までの非労働力人口のうち、通学・家事を行っていない者」と、定義されています。不登校の高校生で、家事を手伝うわけでもなく何もせずに一日を過ごしている人は、まさにニートに相当するといってもよいでしょう。ニートのまま20代、30代になってしまう人もいます。
一方、引きこもりとは「仕事や学校に行くことができずに、家族以外と交流がないまま半年以上家にこもっている者」というのが厚生労働省の定義です。高校生の頃に不登校になりひきこもり生活を始め、40代までそのままだった……という例もあり社会問題化しています。
引きこもりやニート関連の事件が続いている
何か事件が起きるたび「犯人は引きこもりやニートだったのか?」という点に世間は興味を持つものです。実際、引きこもりやニートの犯罪率が高いわけではありませんが、ひとたび事件を起こすとセンセーショナルに報道されるせいかもしれません。
それよりも問題は、最近、中年になった引きこもりやニートの子どもを殺してしまう親がいるということです。「事件を起こすくらいなら、いっそ……」という親心とはいえ、許されることではありません。いずれにせよ、不登校からニートやひきこもりになってしまうと、親子ともに長い間苦しむことになるのです。
不登校からニートや引きこもりにならないためには
不登校がきっかけとなりニートや引きこもりになる事例は少なくありません。しかし、不登校だった生徒がすべてニートや引きこもりになるわけではないのも事実です。いったい、何が明暗を分けているのでしょうか。
不登校を解決しょうと「全日制高校の登校をどうにかして再開したい。でも、どうしても無理……」と、追い詰められていませんか?そのような思い込みこそが、かえってニートや引きこもりを誘発してしまうともいえるでしょう。学校に行くのがどうしても苦痛ならば、通信制高校を活用して「在宅高校生」として頑張ってみませんか?
通信制高校ってどんなところ?
家でなんとなく過ごしていては貴重な10代の時間がもったいないと思いつつ「学校には行きたくない」というジレンマを抱えていませんか?それならば、家庭で勉強を続けられる通信制高校を活用しましょう!通信制高校とは、次のような新しいスタイルの学びの場です。
通信制高校は単位制の高等学校
通信制高校は全日制高校や定時制高校のように学年はありません。1年ごとに進級して卒業する学年制の学校ではないのです。高校課程の必須科目74単位を自分のペースで取得することで卒業できるようになっています。
通信制高校を卒業すれば、全日制高校や定時制高校と同等の高等学校卒業資格を取得できます。不登校のままではやがて高校中退、最終学歴は中卒となってしまい、大学を受験することもできませんし就職にも不利になるでしょう。通信制高校でしっかりと高卒資格を取っておきませんか?
通信制高校は3年で卒業できる
通信制高校も3年で卒業できますが、全日制高校の在籍期間もカウントされるのもうれしいポイントです。たとえば、たとえ不登校でも1年は全日制高校にいたならば、通信制高校は2年だけ在籍していれば卒業できます。
さらに、全日制高校時代に取得していた単位も免除されます。もし、中退するまでに10単位を取っていたならば、通信制高校では残りの64単位を取得すれば晴れて卒業となるわけです。同級生と同じタイミングで卒業するのも夢ではありません。
通信制高校の勉強はレポート中心
通信制高校で単位を取得するためには、レポートと定期テストで合格点を取る必要があります。定期テストはこれまでのレポートを確認するようなものなので、全日制高校のように試験勉強に追われることはないでしょう。むしろ重要なのがレポートです。
1科目につき年に5~6回のレポート提出があるので、3年で通信制高校を卒業しようと思ったら、週に1本は仕上げるペースをおすすめします。レポートといっても穴埋め問題のようになっていて難しいものではありませんが、コツコツと地道に提出していく勤勉さが求められます。
通信制高校にも登校日はある
自宅学習を中心としている通信制高校ですが、じつはまったく登校日がないわけではありません。これは、高校を卒業するためには、ホームルーム、クラブ活動、行事などに30時間単位以上参加しなければいけないからです。多くの通信制高校が週に1~2日程度の登校日を設けています。
しかし、なかには年に4日だけの登校で卒業できる通信制高校もあるので、学校に足を運ぶのがどうしても抵抗があるという人はそういったところに入学してみてはいかがでしょうか。リゾートホテルに宿泊しながら自然体験や職業体験もかねて……というようなコースもあるので、楽しみながら参加できそうです。
人気が高い通信制高校の特色
通信制高校は全国的に増加の一途をたどっています。どの学校も通信教育をメインとしながらも、ユニークな教育を実施しながら、さまざまな困難を抱えている生徒を支援していることが特徴です。人気が高い通信制高校をいくつか紹介しましょう。
サポート充実の通信制高校・中央国際高等学校
中央国際高等学校は首都圏エリア拠点の学習センターに通学するか、CD-ROMを活用したメディア学習をするか、自分の好きなスタイルを選べます。これまでに数多くの不登校の生徒を受け入れてきた実績もあるので、安心していろいろな悩みも相談できるでしょう。
さらに、中央高等学院というサポートスクールを併設しているので、自分ひとりで勉強を続けられるか不安な人にもおすすめです。サポートスクールというと毎日通学しなければいけない学校もありますが、中央高等学院ならば登校は月1ペースでも全職員が大学進学まで手厚くサポートしてくれます。
インターネット時代の通信制高校・N高等学校
2016年創立とまだ歴史が浅いN高等学校ですが、インターネットを活用した授業形態が早くも話題になっています。教材はすべて映像化されていてパソコンはもちろんスマホからも閲覧できるので、スキマ時間にコツコツと勉強することもできるでしょう。
インターネットを有効活用しているのは「高校課程の勉強にかかる時間は最低限に抑えて、やりたいことを学んで欲しい」という方針からです。そのため、N高等学校ではパティシエ、プログラマー、イラストレーター、小説家など専門的な勉強ができる特別プログラムも用意しています。将来へつながる経験ができるのはメリットといえるのではないでしょうか。
資格取得を目指せる通信制高校・クラーク記念国際高等学校
クラーク記念国際高等学校では、高卒資格を取得するだけではなく、多種多様な資格取得を目指すことができます。実用英語検定などの教養系、手話技能検定などの福祉系など、将来に役立ちそうな資格ばかりです。
また、登校日には独自のゼミ授業も行っています。コンセプト、ネーミング、パッケージなどについて話し合う商品開発ゼミでは、実際にショッピングモールなどでの販売まで行っているとか。机上の勉強だけでは物足りない人も、楽しく学ぶことができそうです。
不登校からのニート、引きこもり予防には通信制高校を!
一度、不登校になってしまうと学校に戻るのは難しいものです。無理をして登校を再開して高校を卒業したとしても、その後にニートや引きこもりになってしまう人もいます。もしかしたら、不登校になったのは、今の教育システムが本当に自分に合っているのかチェックする機会だったのかもしれません。
たとえ、全日制高校のような一般的な学校が合わなかったとしても、悪いことではありません。より、自分に合致した教育システムを探して、勉強を再起すればよいだけの話です。たとえば、通信制高校ならば人間関係にわずらわされることなく自分のペースで勉強することもできます。もし「ここなら楽しく学べそう!」と、ピンときたならば新しい一歩を踏み出してみませんか?
ただし、通信制高校と一口にいっても個性はさまざまです。できるだけ時分にピッタリの学校を見つけることが、長続きのコツともいえます。まずは資料請求をして、各校の詳細を比較することからスタートしてみませんか?