看護師の仕事は結婚や育児をしながら続ける人も多く、昔から「女性がシニアになるまでできる仕事」として人気がありました。一方、じつは結構力仕事でもあるので、男性看護師のニーズも少なくありません。
高校中退者の中には看護師の仕事に興味を持っている人もいるでしょう。看護師の仕事とは具体的にどのようなものなのか詳しく紹介します。
看護師ってどんな仕事?
医療チームの一因として欠かせない仕事
看護師は治療を受ける患者さんの援助を行うのがおもな仕事です。専門的な知識と技術をいかして、医師の診療のサポートや患者さんのケアを担う、医療チームに欠かせない存在と言ってよいでしょう。
患者さんの心身をサポートするだけではなく、医師や薬剤師などと連携を図らなければいけないので、コミュニケーション能力も問われます。
「誰かの役に立ちたい」という気持ちの強い人にはやりがいを感じる仕事であることは間違いありません。
活躍の場はかなり広い
看護師の主な就職先は病院や診療所です。その他、企業の健康管理室、研究所、看護学校などで働く人もいます。
保健師の資格もあれば地域の保険センター、学校の保健室などで働くこともできるでしょう。また、助産師の資格があれば助産院のスタッフになったり、自分で助産院を開業したりするのも夢ではありません。
その他、近年では介護施設での看護師のニーズも高まりを見せています。看護師が活躍できる場所は非常に広く、求人が絶えることもありません。つねに需要がある仕事と言ってもよいでしょう。
一緒に取得しておきたい資格
看護職には看護師以外にもいろいろなものがあります。たとえば看護師は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格ですが、准看護師は国家資格ではなく都道府県知事が発行する免許になります。
また、助産師は妊娠から出産までをサポートし、分娩の介助、新生児のケアはもちろんのこと、更年期の女性の健康指導なども行うことが仕事です。地域に暮らす人々の健康を見守る保健師という職種もあり、病気の予防や衛生知識の啓蒙活動などを行っています。看護師にプラスしてこれらの資格を取得する人も少なくありません。
中卒・高校中退でも看護師になれる方法
将来への不安を抱える高校中退者にとって、安定した職業である看護師は魅力的なのではないでしょうか。
一方、人命にかかわる仕事なだけに「失敗したらどうしよう。自分にはとてもできない」と、思う人もいるかもしれません。
そのように重大性がわかる人にこそ、おすすめしたい仕事でもある看護師にはどうすればなれるのでしょうか。
国家試験に合格するのが絶対条件
看護師になるには、まず国家試験に合格しなければいけません。看護師国家試験は毎年2月中旬から下旬に行われ、3月下旬に合格発表があります。
試験科目は基礎看護学、老年看護学、小児看護学などの11科目あり、1日ですべてを行いますが、例年、全240問、300点満点という構成になっています。合格率は毎年90%前後を推移していることからもわかるように、決して狭き門ではありません。
看護師国家試験の受験資格
看護師国家試験を受験するには看護科がある大学、短大、専門学校 などで3年以上勉強して必要な学科の単位を取得し、卒業していなければいけません。
いずれの学校も入学できるのは高卒者のみです。
中卒・高校中退した人ではすぐに看護師にはなれない
つまり、看護師をめざすなら少なくとも高卒でなければいけないというわけです。
「やっぱり、高校中退では看護師になれないのか……」と、あきらめることはありません。
なぜなら中卒でも進学できる看護高等学校であれば中卒・高校中退でも高卒資格を取得してから看護系の大学・短大・専門学校に進学することができるからです。
また、後述する看護系の通信制高校に進学するという方法もあり、様々なメリットを考えるとこの方法が一番おすすめです。
看護高等学校を卒業する
看護高等学校とは、看護学科が設置されている高等学校のことです。5年制になっていて日々学習をしつつ、卒業時に看護師試験の合格をめざします。
ただし、全国的に見ても看護高等学校の数は決して多くはありません。たとえば東京では愛国高等学校のひとつだけです。
鹿児島県のように神村学園高等部看護科を始め8校もある県もありますが、全国でも98校しかありません。
また、看護師となって収入を得るまでに最低5年もかかるため、早めに看護師として働いて収入を得たい方には不向きです。
沖縄には1校もないなど、エリアごとの偏りもあるので目指す場合は注意しましょう。
高卒認定試験に合格して看護系の大学などに入学する
高等学校卒業程度認定試験、いわゆる「高認」に合格してから看護学が学べる大学、短大、専門学校などに進学するという方法もあります。
しかし、注意しなくてはいけないのは、高認は学力を保証するテストに過ぎず、合格しても高卒資格は取得できないという点です。
たとえば何らかの事情で大学を中退するようなことがあれば、最終学歴は中卒になってしまいます。
中卒では就職なども難しく、人生のさまざまなリスクを負うことになってしまうでしょう。
また、高卒認定試験自体が年に2回しかなく、全科目で合格しなくてはいけないなど難易度が高い割に学歴は中卒のままなのでメリットが割に合わないです。
進学コース・看護科のある通信制高校に入学する
中卒・高校中退した人が看護師になるための一番おすすめの方法は、通信制高校で看護学を学びつつ高卒資格を取得し、大学、短大、専門学校などに進む方法です。
そうは言っても「もう高校には通いたくない」という人もいるでしょう。
実は通信制高校は毎日通学しなくても卒業でき、しかも自宅学習がメインなので通学は年に3~5回で済ますことができます。
それでいて高認でなく高卒資格を取得できるので、堂々と看護系の大学・短大などに進学することが可能です。
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通信制高校とは?
中卒・高校中退者が看護師をめざすならまずは看護科や進学コースのある通信制高校で高卒資格を取得するのがおすすめのコースです。
しかし「通信制高校ってなんなの?」と思う人もいるでしょう。そこで通信制高校について詳しく解説します。
学年制ではなく単位制の高校
もちろん国の決まりで全日制高校や定時制高校と同様に74単位以上を取得しなければ卒業できませんが、学年制ではなく単位制なので自分のペースで単位を取得できます。
3年で74単位を取ればいいので、仕事が忙しくてあまり単位を取得できない年があったとしても留年ということもありません。
通信制高校の一番の特徴は自学自習を中心に行っているところでしょう。スクーリングと呼ばれる登校日がありコースに応じて年に数回~週に2回程度の登校をしなければいけませんが、全日制高校よりもずっと簡単に卒業することができます。
少なくとも3年の在籍が必要
自分なりに勉強を進めることができるのが通信制高校なので、たとえば2年間で74単位をすべて取得してしまうということも可能です。
しかし、だからといって2年で卒業できるわけではなく、少なくとも3年間は在籍しなければいけません。飛び級はできないので注意しましょう。
また、卒業までに3年以上かかったとしてもとくに問題ありません。なかには働きながら10年近くかけて卒業する生徒もいます。しかし、看護師になるなら3年で卒業することを目標にした方が良いでしょう。
通信制高校は日々の学習が大事!
通信制高校の単位はレポート提出、テスト、スクーリングを繰り返すことで取得できます。中でも中心となるのがレポートですが、高いレベルを要求されることはありません。穴埋め形式などになっていて理解度をチェックする程度のものです。
提出方法もかつては郵送で手間がかかりましたが、最近ではネット経由で簡単にやりとりできます。
先生からの添削もすぐに見ることができるでしょう。ただし、簡単なレポートでもためこんでしまうと大変なので、できるだけ毎日コツコツと取り組むことが大事です。
看護師コースがある通信制高校を紹介
アルファゼミナール高等学院
通信制高校一覧などで調べてみると、少ないながらも看護・医療系学校に進学するための通信制高校というのがあることがわかります。たとえば、アルファゼミナール高等学院もそのひとつです。
アルファゼミナール高等学院では高卒資格を取得できるのはもちろんのこと、看護・医療系大学などに合格するための指導を同時に行っています。通信制高校と平行して大学受験予備校に通う人もいますが、そのような必要がないのはお得と言えるでしょう。
京都美山高等学校
通信制高校の京都美山高等学校は看護・医療コースがあります。高校中退で、看護師はもちろん、理学療法士、作業療法士などになりたい人のためのコースです。
カレラック看護医療スクール、看護・医療技術系受験塾・予備校 CampusNEXT、関西看護医療予備校などと連携し、難関の看護・医療系大学、専門学校などへの合格者を輩出しています。昼間は連携校で勉強し、夜はインターネットを利用して自宅で高卒資格をめざしましょう。
ヒューマンキャンパス高等学校
「専門分野に強い」と評判のヒューマンキャンパス高等学校は、医療系を始め40分野以上を学ぶことができ、卒業後は100以上の職種をめざすことができます。
看護師を目標にしているならおすすめはメディカルクリニックコースです。
こちらは卒業後に医療事務や医療秘書の仕事に就くためのコースですが、医師などが医療分野の基礎を教えてくれます。病院などでの実習も多く、看護師の仕事現場を実際に目にすることができるでしょう。
中卒・中退でも看護師になる方法まとめ
専門性が高い仕事なだけに「高校中退では看護師にはなれそうもない」と、あきらめていた人もいるかもしれません。
しかし、通信制高校で高卒資格を取得すれば看護系の大学、短大、専門学校などに進学できるので問題なく看護師になることが可能です。
その先に国家試験という関門が待ち構えていますが、通信制高校で培った勉強に対する自主性、自己管理能力などは役立つでしょう。
看護師は一生勉強をすることになる職業と言われているので、通信制高校で培った自主性との相性は抜群です。
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