高校中退でも通信制高校ルートで保育士になれる!

保育士

保育士ってどんな仕事?

高校中退をしてしまい「将来どうしよう?」と、悩んでいる人におすすめしたい職業のひとつが保育士です。保育士とはいってみれば子どもたちの初めての集団生活を見守る仕事といえます。高校中退者がこれまで集団生活で悩んだ経験などを生かせる仕事でもりますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

保育士は子どもたちのお世話をするのがおもな仕事

保育士は子どもの保育、保護者への保育に関する指導を行うのがおもな仕事です。0歳から6歳までの就学前の乳幼児を、保育園などの保育施設であずかってお世話をするわけですから、専門知識に加えて体力も必要となります。

保育園は子どもにとって初めての集団生活を過ごす場所でもあります。集団生活に対するイメージがここで決まるといっても過言ではありません。乳児期は人間形成に重要な時期でもあり、保育士の責任は大きいといえるでしょう。

高校中退者に保育士をおすすめする理由

いじめなどで不登校になり高校を中退してしまった人もいるかもしれません。なかには「集団生活が苦手だった自分が保育士なんてつとまるだろうか?」と、心配な人もいるでしょう。

しかし、集団生活でどんな困難があるのか理解している高校中退者だからこそ、いじめなどに気づきやすいともいえます。集団生活に悩みを抱える子どもの心に寄り添うこともできるでしょう。初めての集団生活をデリケートに見守る人がいてくれれば、1人でも集団生活を苦手にする子どもを減らすこともできるのではないでしょうか。

保育士は毎日どんな仕事をしているのか

0歳児はまだおむつ交換、排せつや着替えの介助などが必要です。一方、6歳児にもなれば心身ともに発達し、友達との遊びなどを通じてコミュニケーションの喜びを知る機会なども作らなければいけません。

日々、子どもたちの身体が清潔に保たれているか気配りし、適切な水分、食事、おやつなどの提供などを行います。昼寝、休息の時間も作り生活リズムを整えることも大事です。何よりもそれぞれの子どもの体調変化、精神状態などを正確に把握して、適切な対応をしなければいけません。

保育士はつねに不足している

共働き家庭の増加、待機児童問題を解決するために保育施設次々と作られていることもあり、保育士はつねに不足状態といっても過言ではありません。保育士の資格を取得すれば、就職先がみつからないということはまずないでしょう。

さらに、自治体によっては保育士への住居支援制度、給与の補助金制度などを設けているところもあります。さらに、資格取得のために利用した奨学金を半額まで補助してくれる自治体もありますが、保育士不足を解決するために今後もこのような制度はますます充実していくのではないでしょうか。

保育士になるにはどうする?

保育士になるには国家資格である保育士資格を取得しなければいけません。保育士資格合格をめざすには、どこでどのような勉強をすればよいのでしょうか?また、高校中退の場合、どうすればよいのかも気になるところです。

保育士国家試験に合格する!

保育士になるには保育士国家試験に合格することが必須となります。まず筆記試験で「保育実習理論」「社会福祉」「保育の心理学」「子どもの食と栄養」などの8科目で合格点をとらなければいけません。以前の実施は年1回でしたが、保育士不足改善のため、現在では年2回実施されています。

筆記試験を一度で合格できず、何度かチャレンジする人もいます。筆記試験に全科目合格すれば実技試験となり「言語表現」「造形表現」「音楽表現」のうちの2科目を受験します。「ピアノが弾けなければ保育士になれないのでは?」と、思う人もいますが、絵画やお話づくりで補うこともできるので心配ありません。

保育士国家試験の受験資格は?

保育士国家試験には受験資格があり、厚生労働大臣が指定する「保育士を養成する学校そのほかの施設」を卒業または卒業見込みでなければいけません。大学、短大、専門学校などになりますが、これらの学校に進学するにはまず高卒資格が必要です。

一方、中卒または高卒でも、保育士国家試験を受けることはできます。児童福祉施設において児童の保護に一定期間従事すれば受験資格を取得できるのです。しかし、独学で保育士国家資格に合格するのは非常に難しいといわざるを得ません。

高校中退者が保育士になるにはまずは高卒資格を!

保育士になるには保育士養成コースが設置されている大学、短大、専門学校などで学ぶのが近道です。高校中退者がこのような学校に入学するには、高卒資格を取得しなければいけません。

高卒資格を取得したいと思っても「また高校に通うのは嫌だ」という人もいるでしょう。そんな時にぜひ活用したいのが通信制高校なのです。

通信制高校ってどんな学校?

通信制高校とは、全日制高校、定時制高校などと並ぶ高等学校のひとつの形態です。名前の通り通信教育をメインとしながら、高卒資格を取得できますが、具体的にはどのような教育を実施しているのでしょうか。

通信制高校はほぼ通学しなくてOK!

通信制高校は自宅学習とレポート提出を繰り返すことによって、高校過程のカリキュラムを習得できるようになっている学校です。年に数回あるスクーリングと呼ばれる登校日には出席しなければいけませんが、学校によっては年に4日程度の通学で卒業できるところもあります。

自分のペースで勉強を進められますが、少なくとも3年間は在籍しなければ卒業できません。したがって、どんなにハイペースで勉強を進めても、飛び級で保育士になるための大学、短大、専門学校に進学できるわけではない点に注意してください。逆に3年以上かけてゆっくりと勉強することも可能です。

毎日通える通信制高校もある

通信制高校の中には毎日通えるところもあるので「1人で勉強するのは不安」という人は利用してみてはいかがでしょうか。たとえば、ルネサンス高等学校ならば東京・新宿代々木キャンパスをはじめとして全国各地に校舎があるので、通いやすいところを見つけることもできそうです。

さらに、通信制高校での勉強をサポートしてくれる通信サポート校というものもあります。ダブルスクールには費用がかかりますが、余裕のある人はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

高校中退から通信制高校に進むメリット

多くの通信制高校はいつでも入学できますし、学年制ではないのでひとつ下の学年に編入しなければいけないということもありません。 さらに、前の学校にいた期間も含めて3年間在籍すれば卒業可能ということは、同級生に遅れることなく大学、短大、専門学校に進学できるというメリットといえるでしょう。

保育士になるための大学、短大、専門学校に進学するには、高卒程度の学力があることを証明する高認にパスするという方法もあります。しかし、高認は学力認定に過ぎず高卒資格までは取れません。つまり、何らかの事情で保育士になる勉強を中断するようなことがあれば、最終学歴は中卒になってしまうというわけです。通信制高校ならばこのようなリスクはない点もまたメリットといえます。

保育士コースがある通信制高校も!

通信制高校は高校過程の勉強だけではなく、より専門的な勉強ができるという特色もあります。美容師、調理師、声優、アニメーターなどのコースが人気ですが、じつは保育士コースを設定している通信制高校もあるので見逃せません。

もちろん、通信制高校を卒業しただけでは保育士の国家資格を取得することはできません。しかし、保育士になるための勉強を一日でも早くスタートできるというわけです。通信制高校人気ランキングなどから情報を収集して、保育を学べる学校を見つけてみましょう。

ヒューマンキャンパス高等学校の保育士コース

通信制高校の保育士コースには、たとえばヒューマンキャンパス高等学校の「保育(チャイルドマインダー)コース」があります。保育理論から工作、ピアノなどの技術を磨くことができるのでおすすめです。

さらに、高校卒業後、2年間で保育士の資格を取得し、就職するまでをサポートしてくれるというのは、かなり手厚いといえるのではないでしょうか。保育士になるという夢を確実に叶えることができそうですね。

鹿島学園高等学校の保育士コース

鹿島学園高等学校ではオプションで多種多様な専門的な勉強をすることができるようになっています。保育士をめざすならば保育・福祉コースがおすすめです。

こちらの保育・福祉コースでは保育士の他、幼稚園教諭、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャーなどになるための講座を履修することもできます。教育だけではなく介護にも興味があるという人はいかがでしょうか。

通信制高校で高校中退から保育士をめざそう!

いじめなどで高校を中退した経験があれば、もう学校のような空間に身を置きたくないと思うのも無理はありません。しかし、生徒としてかかわるのと指導者としてかかわるのは違います。むしろ、学校生活でいろいろな苦労を経験したことがある人ほど、生徒の苦しみに気づきやすいものです。

「自分のように学校生活で苦しむ子どもを少しでも減らしたい」と、考えるならば、保育士はやりがいのある仕事となるでしょう。保育園は子どもたちにとって初めての集団生活の場です。もし、そこで困難にぶつかったとしても、信頼できる保育士さんと乗り越えることができれば、必ず子ども自身の生きる力にもなるでしょう。

もっとも、小さな頃の記憶というのは忘れてしまいがちなものです。お世話になった保育士さんのことをよく覚えていない子もいるかもしれません。それでも、誰かの心の奥深くに、集団生活も悪くはないものだと温かな種をまきたいならば、通信制高校を活用しながら保育士をめざしてみてはいかがでしょうか。

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