高校中退したら高認より通信制高校が良い?
結論から言うと、高校中退後に高認を目指しても学歴は中卒止まりで就職が厳しく、多くの国家資格が取れないので全日制と同様の高卒資格を得られる通信制高校を目指すのがおすすめです。
高認はテストが手間がかかるだけでなく、将来を考えた際にも高認より通信制高校の方がメリットが多いのが実情です。
なお高校中退後に高認も通信制高校も目指さず、そのまま働き始めようと考えている方もいるかと思いますが、以下のような理由からおすすめすることができません。
高校中退のデメリット
大学進学ができない
中退する大きなデメリットは、大学進学ができないということです。
大学に入学するには、「指定された専修学校の高等課程を修了した者」「高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した者」「高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者」など、いずれかの資格が必要となります(※)。
※参考:大学入学資格について 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314.htm
つまり、高校を中退してしまうと大学への入学資格が認められないため、進学ができないのです。
中退するときは進学する気がないとしても、将来的に就きたい仕事ややりたい事が見つかり、大学にいく必要が出てくる可能性もあります。
その場合、他の高等学校に編入するか、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格して資格を得なくてはいけないので、現役で大学を目指すよりも苦労するかもしれません。
就職で苦戦する
高校を中退して就職をしようとしても、最終学歴は高校中退もしくは中学校卒業になるので、希望する職に就けないことがあるというのもデメリットです。
残念ながら、仕事の世界ではまだまだ学歴を重視する傾向にあるため、応募資格を見てもほとんどが「高卒以上」です。
そのため、高校中退では就職先の選択肢はかなり少なく、業種も限られてしまいます。
高校中退での就職先は、サービス業や小売業などエッセンシャルワーカーが多く、体を使う仕事が大半を占めます。
もちろん、そういった仕事が好きというのであれば問題ありません。
しかし総合職や技術職、IT企業などで働きたい場合は、特別な資格を持っていても学歴のせいで応募できないこともあるので、就職で苦戦するリスクが高いのがデメリットです。
大半の国家資格が取れない
実は、高校中退では大半の国家資格が取れません。
もちろん中卒でも専門学校を卒業すれば受験資格が得られるものもありますが、仕事に活かせる国家資格の多くは、高校を卒業していることが受験資格の1つとなっています。
【高卒の学歴制限がある国家資格の一例】
- 保育士
- 管理栄養士
- 歯科衛生士
- 幼稚園教諭
- 教員免許状
- 救急救命士
- 司書補
それぞれの国家資格ごとに細かい受験資格が設定されているため、高卒じゃなくても受験出来る資格はあるものの、そのためには実務経験○年以上や特定の専門学校を卒業しているなどの条件があり、試験が受けられるようになるには相当な時間が必要になります。
中退しても資格を取れば希望する職場で働ける、と思う方もいるかもしれませんが、就職に有利になる国家資格は受験できない可能性があるので注意しましょう。
人間関係に悩む
高校を中退すると、親との関係が悪化したり、友達が出来づらくなったりするなど人間関係に悩むことが多くなるというデメリットがあります。
高等教育機関への進学率は81.5%(※)となっている日本では、最低でも高校を卒業するのが当たり前とされているので、ほとんどの親御さんが「高校はきちんと卒業してほしい」と願っています。
※参考:文部科学省 平成30年度学校基本調査
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293659/www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/12/25/1407449_1.pdf
そのため、親御さんが納得できない理由で中退をしてしまうと、親子関係がぎくしゃくしてしまい居場所がなくなってしまうこともあるようです。
また、学校というコミュニティで作る友達は、学校や授業に対しての不満や将来への不安など共通の悩みを持つことが多く、その分深く繋がれます。
SNSを通して友達を作ることは出来ますが、学校の友達というのは楽しいことや嬉しいこと、辛いこと悔しいことなどを分かち合える特別な人間関係を築けます。
しかし、中退してしまうと悩みを相談できたり、本音を打ち明けたりする友達が出来づらくなる可能性があるのです。
また、学校で出来た友達も、中退をすると生活スタイルがまったく違ってしまうため、次第に疎遠になるというデメリットもあります。
高校中退後におすすめできない高認とは
高認は国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科14科目の中から、8~10科目を受験し、全てに合格することで高認資格を取得できます。
問題は4択のマークシート方式になっていて、問題そのものは基礎学力を判定するレベルで難しいものではありません。
しかし、出題範囲が広いので難易度はそれなりに高く、合格しても最終学歴は中卒になるのが大きなデメリットです。
あくまでも「高卒と同程度以上の学力を持っていて、受験をするだけの能力がある」ということを認定しているに過ぎないのです。
高認を経て大学に合格し、無事に卒業できれば何の問題もないでしょう。しかし、大学に合格できなかったり中退してしまった場合は最終学歴は中卒となるのであまりおすすめはできません。
学歴が「中卒」になると何が起こるのか
中卒と高卒とでは、就職内定率は40%、正規雇用率も20%ほど違うといわれています。
また、生涯賃金に至っては3千万円から5千万円も違ってくるので、どうにかして高卒資格だけは取得しておいた方が賢明といえるでしょう。
そして高校を中退した人に高認よりもおすすめなのが、タイトルにもある通信制高校です。
高校中退後の進路は通信制高校がおすすめ
通信制高校とは、名前の通り通信学習がメインのため毎日登校する必要がなく、自分のペースで勉強することが可能な学校です。
そしてなによりも卒業すると高認でなく高校卒業資格を得られるので、最終学歴が高卒となります。
過去に様々な事情や苦痛な人間関係で中退をした人でも、通信制高校なら年に数日登校すればOKというコースもありますので非常に通いやすいです。
実際、毎年数十万人の方が通信制高校を利用しています。また、学費も令和2年4月より就学支援金制度が採用されているので、世帯年収が910万未満であれば学費を無償、無償とまではいかなくてもかなり抑えることが可能です。
高校を中退した方は入学をしても得こそすれ、損はないのが通信制高校となっています。
※参考:文部科学省 生徒指導上の諸問題の現状と文部科学省の施策について
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/029/shiryo/05072002/s005.htm
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高校中退後に通信制高校で高卒資格を取得する方法は?
3つの条件を満たす
通信制高校を卒業するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 高校課程必須科目の74単位取得
- 特別活動30単位分の参加
- 3年以上の在籍期間を満たす
この3大条件をクリアするのは難しいことではありませんが、コツコツと努力を積み重ねる必要はあります。ただし、高校中退者は前の高校で取得した単位が免除されるので、負担はそれほそ多くありません。
少し注意したいのが特別活動です。特別活動とはホームルーム、生徒会活動、運動会・文化祭などの行事のことですが、30単位分すなわち25時間以上参加しなければいけません。
自宅学習がメインとなる通信制高校であってもスクーリングと呼ばれる登校日が必ずあるのは、この特別活動に参加しなければ高卒資格を取得できない決まりになっているためです。
スクーリングは学祭や宿泊でも換算される
学校生活になじめずに中退した人は、スクーリングを面倒に思うこともあるかもしれません。しかし「やっぱり、高認にしようかな」とは思わないで下さい。
体育祭、文化祭などの参加をスクーリングに数えてくれる学校や、年に1度、3泊4日程度の宿泊形式スクーリングで単位を取得できる通信制高校もあるからです。
週5日間、毎日学校に通わなければいけなかった全日制高校と比べれば、年に1回、あるいは数回通学するだけで単位が取得できる通信制高校はかなり楽です。
高卒認定を取得するより負担も少なく、なにより最終学歴が高卒になるメリットは絶大ですので目指す価値は十分あります。
自主性を持って勉強を続ける
通信制高校では、3年以上在籍したにもかかわらず結局卒業できない人もいます。特に公立で多いです。ではなぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
これは通信制高校の勉強は登校もしなければ見張る担任の先生もいないため、生徒の自主性・自己管理能力が問われるというのが大きな原因となっています。
自分のペースで勉強できるのはメリットでもありますが、人によってはモチベーションが維持できなくなって勉強がまったく進まないリスクもあります。
逆に高い自主性を持って勉強を続ければ必ず卒業することができるのが通信制高校です。
自分に合った通信制高校を選ぶ
「自主性も自己管理能力もない自分には、通信制高校は無理」と、思い込むことはありません。サポート体制が整った私立の通信制高校は97%の方が卒業をしています。
例えば先生がマンツーマンでついてくれて、わからない部分を中学1年生の勉強までさかのぼってくれたり、今後の学習計画を一緒に考えてくれます。
その他、通信制高校にはさまざまな学校があります。一般的に通信制高校の勉強は簡単なので「このレベルではやる気が起きない」という人もいるかもしれません。そんな時には難関大学受験コースを選択して、モチベーションをアップさせるという方法もあります。
いずれにせよ、自分に合った通信制高校を選択することが大事です。自分に合わない高校に進学して中退した経験があるなら、なおのこと今度は慎重に学校を選びましょう。
まとめ|高校中退したら高認より通信制高校がおすすめ
努力をして高認に合格しても高卒資格を取得することはできず、進学できなかったり中退してしまった場合は中卒となってしまいます。
そのため、高校中退者は高認でなく通信制高校で高校卒業資格を取ることをおすすめします。
通信制高校の入学のための資料請求は以下から無料で行なえますので、気になる学校があればお問い合わせをしてみると良いでしょう。