通信制高校の学校行事は少ない?
全日制高校では当たり前のように、文化祭や学園祭、体育祭のようなさまざまな学校行事があります。楽しみにしている人も、そうではない人もいると思われますが、とにかく全員参加が大前提です。一方、通信制高校では学校行事はどうなっているのでしょうか。
通信制高校の学校行事は必要最低限
通信制高校の生徒は自宅学習を基本としていますが、文化祭などの学校行事がまったくないわけではありません。しかし、多くの通信制高校では学校行事は必要最低限にとどめられています。
そもそも通信制高校の生徒は学校生活になじめなかった人も少なくありません。そのため、学校行事にはあまり力を入れていない学校が多いのです。全日制高校のように年間通じて次々と行事がめぐってくるようなことは、ほぼないでしょう。
通信制高校は学校行事への参加が単位になる
ただし、通信制高校は学校行事への参加が単位になるのも、全日制高校と異なるところです。通信制高校も全日制高校とならぶ高等学校の一形態なので、高卒資格を取得できますが、そのためにいくつかの学校行事に参加しなくてはいけません。
通信制高校を卒業するには、まず学科74単位を取得することが必要です。それだけではなく、さらに、特別行事への参加による30単位を取らなくてはいけません。特別活動とは、ホームルーム活動、学校行事、生徒会活動などのことです。
特別行事に50分参加すると1単位となるので、30単位を取得するのは25時間かかる計算です。もし、通信制高校を3年で卒業するならば、1年におよそ8時間、特別行事に参加することになります。ホームルームだけでも1年に約40時間ある全日制高校と比較してみると、やはり負担は最小限と言えるでしょう。
通信制高校の学校行事はスクーリングで行われる
通信制高校の学校行事はスクーリングと呼ばれる登校日に実施されます。スクーリングの頻度は学校のよってさまざまで、多いところでは週に何日か設定されているケースもあります。
一方、年間5日程度の宿泊行事をもってスクーリングとして、その間に特別活動の単位をすべて取れるようになっている通信制高校もあります。できるだけ学校に行きたくない人はこういったタイプの学校を選択するのもひとつの方法です。
通信制高校にはどんな学校行事がある?
通信制高校の学校行事は、それぞれの学校ごとに違いがあります。例として飛鳥未来高等学校とルネサンス高等学校を紹介しましょう。
飛鳥未来高等学校は文化祭も人気
飛鳥未来高等学校は全国に11ものキャンパスを持つ通信制高校です。各キャンパスで年間10回以上の学校行事を開催していて、行事を通じて友達を作る生徒も少なくありません。もちろん、行事への参加は自由意志となっているので「学校は苦手……」という人でも安心です。具体的には次のような行事があります。
■ヤングアメリカンズ
「ヤングアメリカンズ」は歌と踊りのワークショップで音楽教育を行うことを目的とするアメリカの団体です。厳しいオーディションを勝ち抜いたヤングアメリカンズのメンバーと3日間かけてショーを作り上げます。
■文化祭
食べ物の出店がならび、ダンスパフォーマンスのステージ発表などもあり、飛鳥未来高等学校の中でも人気の高い行事です。希望すれば文化祭実行委員になることも可能です。
■クリスマス会
豪華な食事をともに囲み、ゲーム大会なども催されます。一年をしめくくる行事として毎年楽しみにしている生徒も少なくありません。
ルネサンス高等学校は文化祭の他に修学旅行も!
ルネサンス高等学校も飛鳥未来高等学校同様に全国各地に拠点を持つ通信制高校です。こちらでも2015年から文化祭を実施していますが、2017年には新宿代々木キャンパス、豊田駅前キャンパス、ルネサンス大阪高等学校の3校が同時開催するなど、全国規模の通信制高校ならではの盛り上がりを見せています。
また、2017年からは修学旅行も実施。2017年は3校合同で12月4日~6日の日程で台湾への修学旅行となりました。この行事で初めて海外旅行を経験したという生徒も少なくありません。生徒一人一人の世界を広げ、新しい価値観と出会う機会となる学校行事だった様子です。
通信制高校の学校行事は多彩!
以上のように通信制高校でも文化祭、修学旅行といった学校行事を経験することができます。さらに、通信制高校では全日制高校にはない多彩な学校行事を選択できるというのはご存じでしたか?
通信制高校でインターンシップ
体育祭や文化祭といった、いかにも学校めいたイベントはやっぱり苦手という人もいるかもしれません。そんな時には、インターンシップを学校行事としているところを選択してみてはいかがでしょうか。
通信制高校のインターンシップを活用すれば書店、洋菓子店、手芸用品店、レジャー施設、運送会社、レジャー施設など、さまざまな職場を体験することができるでしょう。
また、通信制高校の中には美容師免許や調理師免許取得のためのコースが設けられているところもあります。そういった学校ではヘアサロン、飲食店などへのインターンシップがあり、卒業後の進路をより詳細に実感することもできるでしょう。
「学校っぽい行事はもうたくさん」という人でも、一足早く社会人体験ができるインターンシップならば満足できるのではないでしょうか。
通信制高校でボランティア活動
ボランティア活動を特別活動として実施している学校も結構あります。キャンパス近くの老人ホーム、介護施設、保育園に訪問してお手伝いなどを行うのが一般的です。とくに、音楽系のコースでは施設でライブ演奏をすることもあります。
もちろん、ボランティア活動も強制ではありませんが、全日制高校では学校を休まなくてはできないような活動も授業として参加することができます。それどころか、それを卒業に必要な単位としてプラスできるというのも、全日制高校では考えられないことでしょう。
通信制高校の入学式と卒業式ってどうなってるの?
学校行事の中でも入学式と卒業式は欠かせないものです。通信制高校ではどのように行われているのでしょうか。
通信制高校の入学・卒業のタイミングはそれぞれ
通信制高校は全日制高校のように、全員が4月に入学して3月に卒業するわけではありません。多くの生徒が4月か10月に入学しますが、卒業のタイミングは人それぞれです。
なぜならば通信制高校は学年制ではなく単位制だからです。全日制高校のように一学年ずつ進級していって、基本的に全員が3年で卒業というものではありません。通信制高校は学科74単位、特別活動30単位を取得しなければ卒業できませんが、全単位が揃うまでにかかる時間には個人差があります。
最低でも3年間在籍すれば卒業できる通信制高校ですが、とくに公立の通信制高校では3年以上かかる生徒も少なくありません。「絶対に3年で卒業したい」と希望しているならば、サポート体制が整っている私立の通信制高校がおすすめです。
通信制高校は4月と10月に入学式がある
私立の通信制高校はサポート体制が整っているだけではなく、入学を随時受付けているというのも大きなメリットです。全日制高校から別の全日制高校に転入・編入する場合には、どうしても空白期間ができてしまったり、一学年下から勉強し直さなければいけないこともあります。
しかし、私立の通信制高校ならばいつでも転入・編入できるので、空白期間ができる心配もありませんし、そもそも学年制ではないので一学年下に落ちることもないのです。全日制高校の在籍期間も含めて3年間で卒業となるので、頑張り次第では同級生に遅れと取ることもありません。
通信制高校の多くは4月と10月に入学式、3月と9月に卒業式を行っていますが、タイミング次第ではどちらにも出席できないことになるでしょう。それでも、同級生と同じタイミングで大学に進学できるチャンスがあると思えば、途中入学の価値は大いにあると言えます。
通信制高校の入学式・卒業式は個性豊か
通信制高校の入学式・卒業式は、それぞれの学校によって異なります。たとえば、近隣の生徒しか募集しない公立の通信制高校では、全日制高校とほぼ同じように学校の講堂などで行われることが多いようです。
一方、全国各エリアの生徒をかかえる私立の通信制高校では、入学式と卒業式だけは都内のホテルに全員が集まって賑やかに執り行われることもあります。また、キャンパスごとに入学式、卒業式が実施されることもあり、アットホームな雰囲気が人気です。
通信制高校でも文化祭などを楽しめる!
「通信制高校に興味があるけど、家で勉強ばかりではつまらない」と、思っている人もいるかもしれませんが、その心配はありません。ほとんどの通信制高校でいろいろな学校行事が用意されていますし、文化祭実行委員などになって大いに活躍することもできるのです。
それとは逆に「できるだけ家にいたい。学校行事が嫌だから通信制高校に進学したい」という人もいるでしょう。通信制高校には数多くの学校行事が用意されていますが、どれも自由参加が前提になっているので、これも不安に思うことはありません。
学校行事で盛り上がりたい人も、できるだけ人間関係にわずらわされたくない人も、どちらの願いもかなえてくれるのが通信制高校です。ただし、一口に通信制高校といってもさまざまな学校があり、カリキュラムも学費もかなり違います。まずは一覧表などをチェックして、気になる学校をまとめて資料請求してみてはいかがでしょうか。