
よく「通信制高校には入学式がない」、と言っている人がいますが大半の通信制高校では入学式が存在しています。
といっても全日制や定時制高校のように講堂を備えている通信制高校は少ないので区民、市民会館などの公共の施設が利用されることが多いです。
今回はそんな通信制高校における入学式の服装や注意点、いくつかの学校の入学式の雰囲気を紹介していきます。
通信制高校の入学式の服装について解説
おおよその通信制高校には制服はありません。そのため、入学式の際の服装はどのようにすれば悩む方は多いです。筆者も通信制高校に通っていましたが、入学式の服装は親子で悩みました。
そこで以下では通信制高校の入学式でのおすすめの服装を男女別に紹介しつつ、親御さんの服装についても紹介していきます。
男女ともに入学式の服装はスーツが無難
通信制高校の入学式には中学の制服を着てくる人、普段着の人なども数多くいます。しかし、もっとも多いのはスーツです。悪目立ちをしたくない場合は男女ともスーツの着用がおすすめです。
スーツと一口にいってもさまざまなタイプがあります。たとえスーツでもあまりにファッショナブルなものは避けた方が無難です。
黒や濃いグレー、紺といった地味な物にし、柄のない無地でシンプルなデザインにしましょう。
私服の場合は目立たない色にする
様々な事情でスーツを着るのが困難な場合、地味な色の私服で参加することをおすすめします。
派手な私服でも全日制のように怒られることは少ないですが、悪目立ちしてしまうので黒やグレー系の服の方が無難です。
場合によっては「なんちゃって制服」と呼ばれる制服そっくりの服を着るのもありです。制服っぽいネクタイ、リボン、スカートなどが600円~の手頃な価格で売られています。
制服は用意できない、着たくないけど無難な服装にしておきたい場合はこのなんちゃって制服のパーツを活用すると良いでしょう。
男子におすすめの入学式の服装
男子はスーツの下は白無地のYシャツがおすすめです。1枚持っていると、通信制高校で企業での就業体験などがあった時にも使えるでしょう。
ただし、シワシワのYシャツでは悪い印象を与えかねないので、きちんとアイロンをかけておくようにしたいところです。
ネクタイの色、柄にとくに決まりはありませんが、これも最先端のオシャレ過ぎるものは避けましょう。ネクタイというのは結構目に入るものです。
記念撮影もありますし、TPOをわきまえたデザインのものを選択しましょう。スーツと同系統の色のネクタイにしておけば無難に合わせやすいです。
ベルトもスーツの色になじんで目立たないものにし、靴下はふくらはぎまでの長さの黒いものを用意します。もちろん、スニーカーはNGで、きちんと革靴を履くようにしてください。
女子におすすめの入学式の服装
女子はパンツスーツでも構いませんが、できればスカートタイプのスーツがおすすめです。
女子も色は黒、またはグレー系のものがおすすめです。スーツの中に着るシャツは白無地ならリボンやフリルがついているデザインでもよいでしょう。
華やかさを演出したい場合は明るすぎないブルーやピンクのカラーシャツを着たり、胸元にフリルがついたものを選んでも大丈夫です。
足元は靴下ではなくストッキング、靴もスニーカーやローファーではなくパンプスが定番です。ヒールもOKですが低めの方が入学式らしい清楚な雰囲気を出せます。
メイクもしても問題ありませんが、入学式だけは派手すぎるものでなくややナチュラルなメイクを意識した方が良いでしょう。
女子のアクセサリーについて
男子と同様に女子も記念撮影などを行うことが多いのと、悪目立ちを避けるため派手すぎるピアスや小物類は控えた方が無難です。
もちろん派手なアクセサリーをつけていても全日制のように怒られることはありませんが、あまりにも目立つ場合は式の間だけは外すように言われることもあります。
髪色も茶髪くらいであれば問題ありませんが、赤や緑のように派手すぎると少々目立ってしまうので、式の日だけでもカラーワックスを使って抑えるなどしても良いでしょう。
参考:楽天市場 カラーワックス
個人的にですが、カラーワックスがあると気分で髪色を変えることができて楽しいのでおすすめです。
筆者も通信制高校に通っていた際に使っていましたが、値段もそこまで高くなく物によっては2色選べたりするのでオシャレの幅が広がります。
親・保護者におすすめの服装
子どもの晴れ舞台ですので服装に悩んでしまう親・保護者の方は非常に多いです。
どうせならオシャレな装いにしたいと思うかもしれませんが、親・保護者も性別に関係なく黒やグレー、ネイビー、ベージュなどの落ち着いた色合いのスーツを着るのが無難です。
女性の場合はスカートの丈が短すぎないようにしたり、アクセサリーもド派手なものでなくシルバーやパールなどの落ち着いたものを選ぶと良いでしょう。
通信制高校で必要な持ち物は?
子どもの持ち物
基本的には小中学校での持ち物と変わりません
子どもであれば、通信制でも教科書などを受け取る学校もあるので大きめのカバンやリュックを持っておきましょう。
また、学校から特に言われてなくてもハンカチやティッシュ、マスクなどは必須です。
学校によっては入学式の所要時間は結構長いので、水筒にお茶や水を入れて持たせておいたり、乾燥防止のリップクリームなどを用意しても良いでしょう。
また、地域や場所(冷暖房のない公民館などを利用)によってはカーディガンやコートなどを一緒に渡してあげましょう。
通信制高校の入学式は4月だけではないので、時期応じて寒さ・暑さ対策をしてあげるのも重要です
親の持ち物
親も基本的には小中学校の入学式の持ち物と変わりません。
カメラやメガネといったものの他、保護者向けに渡される書類を入れることが可能なバッグがあれば良いでしょう。
ただ、学校によっては「預金口座振替依頼書」などの書類を渡されることがあります。これは後日銀行に提出することが義務付けられている書類です。
仕事の合間や有給で入学式に参加している場合、このためにもう一度休みを取るのは面倒ですので入学式の後にそのまま銀行に行って提出することをおすすめします。
そのため、銀行印や住民票の写しなども事前に用意して持っていくと良いでしょう。
通信制高校の入学式における基礎知識
入学式は4月と10月に行われる学校が多い
通信制高校の入学式も多くの場合は4月です。しかし、10月にも入学式を開いている学校も少なくありません。
年に2回大きな入学のチャンスがあるというわけです。
何らかの事情で4月の入学式には間に合わない、参加するのが難しいという場合でも来年まで待たず10月に入学式に参加するチャンスがあります。
入学式では別のキャンパスにいる仲間と会える
通信制高校の中には、キャンパスと呼ばれる小さな校舎を全国各地に設置しているところも多いです。
生徒は基本的に全国各地に散らばっているのですが、入学式はそんな生徒が一堂に会する数少ない機会です。
もちろんその後に顔を合わせることがない方が多数ですが、同じ学校に通う仲間の存在を直接見るのは今後の学習のモチベーションにも繋がります。
もちろん、中には同じキャンパスに通う生徒もいます。
通信制といっても自宅で学習をするだけでなくキャンパスに登校して苦手分野の授業を受けたり、学習計画の相談をするなどのサポートを受けることができるので、同じキャンパスの生徒とは顔を合わせる機会もあるでしょう。
入学式の初心を忘れないことが重要
通信制高校は全日制のように3年間登校していたら卒業式の日を迎えていた、ということは起きません。
卒業するには自分でしっかりと学習計画を立て、必要な74単位を取得する必要があるからです。
自宅学習がメインのコースを選んでいる場合、つい怠けてしまい卒業に3年以上かかる生徒がいるのも事実です。入学式の光景をしっかりと記憶に焼き付けて、初心を忘れないようにしましょう。
通信制高校の入学祝いの金額相場は?
贈る相手 | 金額 |
---|---|
孫 | 10,000〜100,000円 |
親戚の子ども | 10,000〜30,000円 |
友人の子ども | 5,000〜10,000円 |
子ども向けの内容ではありませんが、調べている方が多いようなので追記しました。
通信制高校の入学祝い金の相場は、一般的な高校入学の相場と変わりません。
通信制高校であっても高校であることに変わりはなく、卒業すれば高卒資格も得られるのですから当然といえば当然かもしれません。
内容は現金だけでなく、現金+プレゼントというケースが多いです。最近はiPhoneやiPad、iTunesカードのような電子マネーなどを送るケースが多いようです。
いくつかの通信制高校の入学式の雰囲気を紹介
通信制高校の入学式では、具体的にどんなことをするのか気になる方も多いと思います。
そこで以下では平成30年に実施されたルネサンス高等学校、ゼロ高等学院、鹿島学園高校佐久キャンパスの例を見てみましょう。
ルネサンス高等学校の入学式
ルネサンス高等学校の入学式は4月14日に大阪中央公会堂、4月21日にルネサンス豊田高等学校、4月22日に御茶ノ水ソラシティと3回に分けて実施し、生徒一人一人に入学許可証が授与されました。
その他、校長先生のお話、在校生挨拶、新入生挨拶、担任紹介、集合写真撮影などがあり、全日制高校とほぼ変わらない内容といってよいでしょう。
通学コースを選ぶ生徒も多いので、入学式ではさっそく連絡先を交換し合う生徒などもいました。
ゼロ高等学院の入学式
堀江貴文氏が主催するゼロ高等学院では、実業家の人脈を活かしたさまざな体験ができること、そして校舎を持っていないのが特徴です。
生徒は全国各地の学習センターおよびインターネットを利用して活動をしていきます。
そんなゼロ高等学院の入学式は、静岡市川根本町にあるエステサロン経営者が所有する一軒家で行われました。また、今後は生徒たちによる川根本町の町おこしなども計画しているとの事でした。
鹿島学園高校佐久キャンパスの入学式
鹿島学園高校佐久キャンパスは全国初の商店街立通信制サポート校です。通信制サポート校とは、通信制高校の勉強をサポートするための学校で、こちらは通学制を採用しています。
入学式は全日制と同じような流れでしたが、近隣の方々がお祝いに駆けつける様子が見られました。
これは鹿島学園が商店街を活用した就業体験、起業体験などを行っているためです。
通信制高校の入学式に参加しないのはあり?
自由参加なので参加しないのもあり
通信制高校の入学式は基本的に自由参加です。通信制高校を選択する人は、集団生活が苦手という方も少なくないです。
そのため、入学式などの学校行事にできるだけ出たくない場合は不参加でも構わないでしょう。
特に不登校生徒のサポートに力を入れている通信制高校は配慮が行き届いているので、参加しなかったとしても不快な思いをすることもないです。
ただ通信制高校の入学式は単位になるので出たほうがお得
しかし、ここでひとつ確認しておきたいのは、通信制高校の入学式は単位にすることもできるという点です。
通信制高校を卒業するには学科74単位だけではなく、学校行事などの特別活動による30単位を取得しなければいけません。
30単位というと時間に換算して25時間です。もちろん体育祭やホームルームなどの他の特別活動や、宿泊スクーリングなどで補填できるようになっている学校もあります。
ただ、負担を減らすなら単位のために入学式に参加した方が後々楽になります。
通信制高校の入学式の前にしておきたいこと
資料を請求する
通信制高校にはさまざまなタイプがあります。学費が安く近隣の生徒だけを対象としている公立の通信制高校もあれば、全国各地からの生徒を受け入れている私立の通信制高校もあります。
そして学習内容やサポートも千差万別で、アニメやゲーム、ネイルなどが授業にある学校もあれば、進学や就職に特化した学校もあります。
大半の学校は無料で資料を提供しているので、様々な学校の資料を一括請求してよく比較・検討すると良いでしょう。
高校の選択は大事ですのでよく悩んだ上で、もっとも自分(子ども)に合っていそうな学校を選ぶことが重要です。
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説明会やオープンキャンパスに参加しておく
資料請求をして気になる1校、あるいは2校を絞れたら、入学を決める前に必ず説明会やオープンキャンパスに参加して直接学校の雰囲気を確かめて下さい。
どの学校も資料には良いところばかりを書いていますので、実際に通ってみると「合わなかった…」「思っていたのと違った…」となり、また学校に行きたくなくなってしまう方もいます。
そんな悲劇を回避するために必要なのが、オープンキャンパスや説明会への参加なのです。
不安なことがあれば直接先生に質問することもできますし、実際にそこへ通う生徒の表情も見ることができます。
中には一度だけでなく複数回、しかも色々な学校の説明に参加して、悩み抜いた末に入学を決める人もいます。
学校選びは子どもの今後の人生を大きく左右しますので、後悔や挫折をしないためにも慎重になりましょう。
やりたいことを考えておく
私立の通信制高校の中には、専門学校と提携して高校生のうちから専門的な知識が技術を学べる学校もあります。
調理師免許、美容師免許などの国家資格を目指すコースもあれば、ネイル、芸術、イラスト、ゲームなどをできるコースもあります。
他にも音楽やスポーツを頑張りたい高校生のための通信制高校もあるので、いくつかの学校の資料を眺めているだけでもいろいろな発見や驚きがあるでしょう。
入学してから自分のやりたいことが分からなかったり、目標がないなんて事がないよう、コースの中から自分の興味のあるものを考えておきましょう。
入学式の前に面接や試験があることを知っておく
全日制高校と同様、通信制高校でも面接、作文、簡単な学科試験などの入学試験があります。
とはいえよほどの人気校でもない限り、落ちることはまずないでしょう。
通信制高校の試験はあくまでも現在の学力の確認や、この生徒が入学しても問題がないかを確認するためのものです。全日制のように落とすための試験ではありませんので安心して下さい。
面接、作文の対策
面接でも作文でも志望理由を聞かれるパターンが多いです。
そのため、学校の特色で気に入った点となぜそれが自分に必要と思ったのかをしっかりと説明できるようにしておいてください。
通信制高校の入学式まとめ
通信制高校への入学を考えている人の多くは、全日制高校で嫌な目にあったり、学校に通うのが嫌になった方だと思います。
しかし、通信制高校には同じような体験をしてきた人が数多くいるので、友達も作りやすく、先生も理解のある人しかいません。
通信制高校というと一人で自宅にこもって勉強だけをしているイメージかもしれませんが、任意で通学日数を選べる学校も多く(週1、月1など)、メリハリのある学びの機会を得ることができるでしょう。
もちろん、できるだけ人間と関わらずコツコツと勉強したい場合はスクーリングを年に数回にし、単独で自宅学習をするスタイルを貫くこともできます。
このように生徒一人一人のニーズに合った勉強の仕方を重視してくれるのが通信制高校です。
入学式もきちんとありますし、参加すると案外学校が嫌だった人も「頑張ろう!」という気持ちになることが多いので、ぜひ入学式から新しい一歩を踏み出してみましょう。